たとえどんなに短時間でも幼い子供を車内に残してはいけない。子供から一瞬でも目を離してはいけない。そのとおりに思えます。確かに正しいです。でもそれが本当の意味で安全なのか?と日ごろから疑問に感じていたことを書いてみました。
ところで聞きたいんだけど。小さな子を車に残して買い物するとして、何分までならOKだと思う?
何分までって…。子供を車に置いて買い物なんて絶対にダメでしょ?(実はコンビニとかちょっとした買い物なら置いてったことある)
さすがきなこちゃん。ちゃんと実践してるんだね!すごいよ。
小さな子供と離れ離れになる瞬間は確かに不安だよね。
ここからはあくまで個人的な意見なので、反論もあるかと思います。たとえ短時間でも子供を車の中で待たせるのは本当に危険なことなのかそうでないかは、ご自身でよく考え答えを出して行動していただけたらと思います。
子供を車で待たせるのはなぜ危険なの?
幼い子供を車内に放置して死なせてしまう痛ましいニュースがときどき流れます。炎天下の車内に数時間置き去りにしてパチンコに興じていた、などいったいどうしたらそんなことになってしまうのか、ニュースを聞くたび疑問に思います。
なぜ子供を車に残してはいけなのいか? もっともよくある悲劇が熱中症による死亡です。
【車内放置は絶対にダメ】
暑い夏の時期、炎天下の車内は短時間で高温になります▶子供の車内放置は命に危険が及びます▶子供やペットの車内放置は絶対にダメ▶スプレー缶やスマートフォン等の放置も高温により爆発や発火等のおそれがあるので注意しましょう◀ pic.twitter.com/8iOJFoTR0g— 山梨県警察 (@YamanashiPolice) August 9, 2019
子供の車内放置は絶対にNG。たとえ短時間といえど熱中症になる危険があります。
真夏の炎天下の車内温度は50度を超えるとの報告もあります。車に乗り込んだ瞬間から、息苦しいほどの暑さに襲われますね。5分どころか1分でも子供を置いておきたくない。大人だってとても耐えられないでしょう。
また、真夏に限らず春先でも、直射日光下の車内はかなり暑くなり、危険な状態です。
さらに、子供を車内に残す危険は熱中症だけではありません。車の盗難・誘拐・座席からの転落など犯罪に巻き込まれたり思わぬ事故の要因となります。
目を離した隙に車ごと子供がいなくなり二度と会えなくなってしまったら…。と思うと子供を車内に置いていくことなどできそうにありません。
子供を車内に残してはいけない理由
まとめてみました。
- 熱中症の危険がある。
- 車の盗難・誘拐の危険がある。
- 座席からの転落の可能性
- 親が車に戻れなくなる万が一の事態が発生するかもしれない。(災害・病気で倒れるなど)
子供を車内に残せば上記のような危険が考えられます。海外では子供を車内に残しておくと通報される国もあるそうです。
アメリカの子育てで日本と違うところ。子供だけを車内に残すと捕まる。何分以内なら良いとかじゃなくて、子供を置いて車から大人が離れるとアウト。 https://t.co/m3oSbXB64Q
— 40歳からのアメリカ🇺🇸現地採用 (@from_40) May 6, 2018
それでも子供を車内に残していきたくなる理由
子供を車の中に置いていきたい理由なんて決まってるよね。
「楽だから」だよ。
そんな…身もフタもない。
特に赤ちゃんの場合、チャイルドシートのベルトを外して車から降ろさなくてはなりません。その後は片手抱きで買い物やATM操作などをこなさなくてはならず、かなりの重労働となります。
私は小柄&不器用なので子供の片手抱きが苦手だった(汗)
でなければベビーカーに乗せる。車から降ろしてベビーカーに乗せベルトを装着。戻ってきたらベビーカーから降ろして車に乗せかえる。長時間の買い物なら仕方ないにしても、たった数分の用事でこんな労働は避けたくなりますね。
エアコンを切っても快適な日であれば、子供を車内に残してもよいのでは?
エアコン切っても大丈夫な日多くない? 雨ザーザー降ってるとか。そんなときは置いてってもいいんじゃ? (ぬれるし)
ダメでしょ!危険は熱中症だけではないって、さっきユコちゃん自分で言ってたじゃない。
子供の車内放置の話になると決まって言われるのが、熱中症の危険です。車内温度が急激に上がる、エアコンを付けていても熱中症に罹ることがある、エアコンが壊れることがあるなど、その危うさについて警告する声は多いです。
また、子供が乗車しているかどうか以前に、短時間でもエンジンを掛けたまま車を離れる行為は道路交通法違反になります。そうなるとエアコンも切らなくてはならないでしょう。
でも。
熱中症の危険性は理解できても、注意喚起には説得力が足りない。なぜなら。
こんな暑い日ばかりではないから。
エアコンを切っても快適な日が多いのをみんなよく知っているのです。
熱中症以外の危険として、車内で転落事故があると言いますが、そもそもチャイルドシートは子供を交通事故から守るもの。簡単に落ちるようなら装着の仕方に問題がありそうです。もしも幼い子供1人をチャイルドシートに座らせておいて転落したというなら、運転中も転落の危険があるということになり、子供を車に乗せることすら危険だという話になってしまいます。
実はこの記事を書こうと思ったきっかけがあります。ある雨の日の光景が忘れられないからです。
朝の保育園の駐車場にて。横殴りの雨が強く降っていました。一人のママが駐車場から園庭を横切って建物に向かっています。上の女の子が傘をさして、ママは1歳くらいに見える下の子を抱きかかえていました。持っているお昼寝布団もすっかり濡れてしまっている様子でした。
しばらくすると、そのママが下の子を抱きかかえて車に戻っていくところを見かけました。「下の子は預けないのか。こんな日くらい車に置いていったらダメなのかな」と思いながら見ていました。
確かに盗難や誘拐はこわいけど。
盗難や車上狙いは怖いです。施錠していても100%安心できるかといえば、そうとは言い切れず私もちょっと言葉に詰まります。
子供を車内に残さず連れていけばリスクはゼロなのか?
とにかく子供を車内に残すのは危険。
じゃあ連れて行けばリスクはゼロなのか?
さっきのお母さんと子供2人の保育園送迎の例で考えてみましょう。
雨の中、上の子が傘をさして駐車場内を横切ります。送迎の時間帯ですから車は入れ替わり立ち替わりやってきてほとんどの車がバック駐車していきます。ドライバーから背の低い子供の姿は死角に入りやすいでしょう。
にもかかわらず荷物と傘と赤ちゃんを抱きかかえた母親は手を塞がれ、上の子と手をつなぐことができません。
子供は飛び出しの名人です。このように複数の子供を連れ歩くケースは日常生活の中で多々あります。危険な駐車場内を1人で歩かせるのは実に危なっかしい!下の子がぐずるなら仕方ないにしても、こうまでして、短時間でも子供を車内に残してはいけないルールを守らないといけないのでしょうか?
子供にハーネスの賛否に関する記事もぜひご覧ください↓
正直、下の子が車内で待っていた方がリスクが少ないと思います。チャイルドシートに座っていれば、ある意味もっとも安全な場所にいることになります。
子供を車内に置いていく危険性が声を大にして言われる一方で、子供を連れていくリスクについては不思議と語られません。
子供を車内に残すと虐待なの?
子供を長時間放置した虐待事件に対して過剰反応していることもありそう
子供を車内に長時間残す行為は「放置」であり立派な虐待です。でも、それは子供をほんの数分残して、すばやく買い物や保育園送迎をすませることの延長にあるわけではないように思えます。両者は別物のような気がしてなりません。
イメージ先行の危機感が小さな子供を一生懸命育てる親御さんたちを苦しめるようなことがあってはならないと思います。
まとめ
持論を展開してまったようですが、思うところを書いてみました。おそらく多くの保護者の方は、どんなに短い間でもお子さまを車内に残さず、連れて行って用事を済ませているかと思います。反対にお子さまを残して車を離れたことがある方もいらっしゃるかと思います。
そんなとき、子供に何かあったらとハラハラしたり、罪悪感を感じるのではないでしょうか。
- 曇り・雨などエアコンを切っても快適なコンディションであること
- 子供が待てる様子であること
- 施錠は必ずする
- 5分以内で戻る
これらの条件を満たしたとき、子供を車内で待たせる選択が賢明な場合もあるかと思います。ただし、やはり盗難や車上狙い、誘拐などの可能性もつねに念頭に置いておく必要があります。